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インドアな僕がアウトドアの世界にズブズブにハマっていくというイン&アウトドアなブログです。

キャンプに行けない秋の夜長にぜひ読んでほしい『史記』

※本ページにはプロモーションが含まれています。

どーも。キャンプも好きだけど歴史マニアでもあるサラリーマンキャンパーのCarlosです。

この三連休はキャンプに行きたかったのですが、仕事が1日入ってしまいあきらめ、せめてデイキャンプで焚き火ぐらいしたかったのですが、この雨で断念。

そんなフラストレーションを解消するために、今回は、人気マンガ『キングダム』のもととなった歴史書『史記』の魅力をたっぷりご紹介します。

※なので全くキャンプ関係ありません。キングダムファン、歴史ファン、あるいは超暇な人向けの趣味がだいぶ偏った記事です。ご了承ください。

 

『史記』とは

中国の歴史書のひとつで、三國志の時代のちょっと前、漢の時代(紀元前92年ごろ完成)に書かれた130巻(紙の発明される前なので細い竹の巻物に書かれてる)もある歴史書です。

中国の創世の物語から夏王朝→殷王朝→周王朝→春秋戦国時代→秦の統一→漢の時代まで3,000年の歴史が書かれています。

 

古代ギリシヤの歴史家ヘロドトスの書いた『ヒストリアイ』がなければ西洋の歴史を詳しく知ることができなかったように、この『史記』がなければ我々はアジアの古代史を知ることができなかったといわれています。

 

書いたのは司馬遷という人で、各地を巡り当時の膨大な文献をもとに編纂(へんさん)したそうです。史実を忠実に記載するという客観性(昔の文献では珍しい)が、この歴史書の評価が高い理由だとされています。

 

そのころ日本は弥生時代です。

あの髪型して、狩から稲作へ日々邁進していた時代です。

『魏志倭人伝』で卑弥呼のことが書かれているのが3世紀頃のことなので、卑弥呼の400年前に、その当時に中国各地に残っていた思想や歴史を編纂したのが『史記』です。

 

そもそも僕が『史記』にハマったのは、もちろん漫画『キングダム』の影響です。

こんな記事すら書いています。

www.in-and-outdoor.com

去年の春に『史記』の1巻をブックオフで見つけ、「これは長い旅になるだろうな」と思いつつ購入し、読み始めました。

その後、ブックオフで見つけるたびに買い集め(セコい男だと思われてるかもしれませんが、文庫本のくせに定価1,200円超えるのです。)、主に通勤時間に少しずつ読み進めて、先月やっと全8冊、読破しました。

約一年半かかりました。

 

この徳間文庫のシリーズは、原文と訳文、現代語訳が同じページに書かれていて、読みやすくはないですが『史記』を原文で読んでいるような気分を味わえます。

例えば、

【原文】

武王曰、女未知天命。未可也。

【その下に訳文(読み下し文)】

武王曰く、なんじ、いまだ天命を知らず。いまだ可ならざるなり。

現代語訳

武王は、「早まるな、天命はまだ殷を離れてはいない」と言った

というような感じです。これが各巻500ページ以上続きます。

 

 

『史記』の魅力

なかなか伝わらないかもしれませんが、僕の思うこの本の魅力をまとめてみました。

 

内容がかなりエキセントリック

皇帝の愛人の両手足を切って人豚にした(呂太后)とか、文句を言った家臣を塩辛や干し肉にした(紂王)とか、40万人を生き埋めにした(白起)とか。

なかなか残酷すぎるエピソードが盛りだくさんで、歴史の恐ろしさを知ることできると同時に、怖いもの見たさで先が気になり読み進める手が止まりません。

 

現代にも繋がる処世術

紀元前に書かれた本ですが、現在にも役に立つであろうことがいろいろ書かれています。

暴君(社長)への意見の仕方を間違えると、今でもクビが飛ぶことがありますが、この時代は本当に首が飛びました。

出世するひとは人民を思い仲間を思い、常に正しいことを行いますし、前述の家臣を塩辛にしたり、酒池肉林を楽しんだ王様(同じく紂王)は滅ぼされます。

そんな逸話が3,000年分詰まっていて、もっと若いころに『史記』を読んで実践していたらもうちょい出世していたかもしれないと後悔しています。

 

歴史上のあの人も愛読

www.nhk.or.jp

あの徳川家康も『史記』を愛読をしていたと有名です。

他にも紫式部や源頼朝など、日本の歴史に登場する昔の偉い人はみんな読んでいたそうです。やっぱり歴史を知ると同時に、上記の処世術を学ぶという意味合いも大きかったのではないでしょうか。

まぁ昔の人は読むもの限られていたというもありますけど。

 

あの言葉の語源

背水の陣、完璧、馬鹿(鹿を指して馬となす)、鳴かず飛ばず、酒池肉林といった言葉語源はこの史記から出てきています。

普通に使っている言葉が実はこんな意味があったのかと大変勉強になります。

ちなみに「酒池肉林」ですが、池を酒で満たし木に肉を吊るして昼夜宴会を行ったというのが語源で、もともとはハーレム的な意味はなかったみたいです。

 

登場人物紹介だけで100ページある

8巻が小事典となっていて、1〜7巻の補足のための1冊です。

概要の紹介、名言紹介、登場人物小事典、関連年表、王族の家系図という構成で全640ページあり、そのうち登場人物小事典が481ページから581ページまであります。(そしてコレ主要人物の紹介は除く小事典です。)

まあ3,000年分の登場人物なのでしょうがないですが、そんなそんな膨大さ。そんな情報量の本です。

 

さらに進む研究

そもそも始皇帝の墓が発見されたのが1974年。

意外に最近の話で、それまではこの史記の中の言い伝えでしかなかったのだというのが驚きでした。

殷の時代も1899年にみつかった骨に描かれていた文字が史記の記載と一致したため、やっと実在が証明されたそうです。

殷の前の夏王朝(前2,000〜1,600年頃)は、まだ実在が証明されていないのですが、史記にはしっかり記載されているので、夏王朝の遺跡だとされる二里頭遺跡の研究が待たれます。

 

 

史記を題材にした作品

そんな『史記』を題材にした関連作品が、実はいろいろあります。

映画、漫画、小説とジャンルはバラバラですが、自分が触れたことのある作品をご紹介したいと思います。

キングダムファンの方はぜひチェックしてもらえると嬉しいです。

 

映画『キングダム』

キングダム

キングダム

  • 山﨑賢人
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言わずと知れた『キングダム』です。近年の人気漫画の実写映画化で一番成功した作品だといえるのではないでしょうか。

先日公開された『キングダム3』ではシークレットキャストの小栗旬(李牧)と吉川晃司(龐煖)が登場。

これで、山崎賢人、吉沢亮、橋本環奈、長澤まさみ、清野菜名、杏、山田裕貴、大沢たかお、佐藤浩市、玉木宏とキャストの豪華さがバグっています。

もう『キャノンボール』なみにオールスター全員集合の娯楽映画となっていますね。(世代的にキャノンボールが伝わらないひとは『アベンジャーズ』で。)

キャノンボール2(字幕版)

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  • バート・レイノルズ
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漫画『キングダム』原泰久

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

先日、コミック累計発行部数が1億部を突破しました。これは青年誌の漫画では初の快挙だそうです。

秦や始皇帝は侵略者&悪者として描かれる作品が多い中、聡明な始皇帝像と、戦争を終わらせるために戦う秦の側から描いた珍しい作品と言えます。

主人公は実在する李信将軍。

史記には数回登場するだけの人物なので、創作と史実部分を上手に織り交ぜて魅力的なキャラクターに仕上げています。

ちなみにこの69巻の表紙に載ってている悪役顔のキャラは全員味方です。

 

アニメ『キングダム』

『将の器』

僕がここまでキングダムにハマったきっかけは第3シーズンの途中でコロナ禍に突入し、アニメ放送が一年間止まったこと。

一番面白い「合従軍編」で一年間のお預けを食らい、そのストレスを昇華させるために漫画全巻→関連書籍→史記という流れに至りました。

アニメはアマプラで第4シーズンまで全部観れると思います。

第1シーズンのなんかカクカクした動きが気になりますが、そこさえ我慢して10話ぐらいみるともう止まりません。

 

来年は第5シーズンも放送予定。

桓騎(かんき)将軍ファンにはたまらない「黒羊丘編」です。NHKでどこまでエグいシーンを再現できるのかも気になるところです。

kingdom-anime.com

 

漫画『達人伝』王欣太

達人伝 ~9万里を風に乗り~ : 1 (アクションコミックス)

『蒼天航路』の王欣太(キングゴンタ)先生の『達人伝』はオススメです。

キングダムよりもさらに史記の逸話てんこ盛りで描かれています。キングダムファンは絶対に楽しめます。

キングダムの少し前の時代が舞台になっていて、主人公の3人組が史記に出てくる達人たちと出逢いながら(戦国四君、盗跖、呂不韋、白起、昭王、蒙驁、廉頗などオールスターで登場します。)強大な秦という国に立ち向かうという話です。

キングダムに出てくるキャラの若かりし姿(例えば王騎将軍とか)がどんどん出てきます。キングダムや史記を知っていれば知っているほど面白い作品です。

ちなみに、キングダムとは違って「始皇帝のお父さんは呂不韋説」の方で描かれていて、エロい描写はキングダムの上を行くエロさなので、ご家族がいる方は要注意です。

 

小説『項羽と劉邦』司馬遼太郎

日本の大御所、司馬遼太郎さんも『項羽と劉邦』を書いています。

実は項羽と劉邦の話の方が、メジャーでキングダムの時代より多く作品化されています。

そもそも司馬遼太郎さんの「司馬」ってこの史記の司馬遷からとったんだと気づいてひとりで感動。

 

映画『鴻門の会』ダニエル・ウー

中国の新しめの映画なのですが、アマプラで無料だったのでみてみました。

映像美がすばらしくて項羽と劉邦の世界観が伝わる作品でした。出てる役者さんもとても良いです。さすが本場です。

ただ声に出して人にオススメしづらい名前の映画ではあります。

 

漫画『史記』横山光輝

歴史漫画の巨匠横山光輝先生も書かれています。

僕が人生で一番初めに史記の触れたのはおそらくこの『史記』の項羽と劉邦です。漫画は基本的に読まないうちの父でしたが、本棚にこの横山版の『三国志』『項羽と劉邦』『水滸伝』が何冊かだけあって子供の頃読んだ記憶が残っていました。

項羽が咸陽か阿房宮を焼くシーンがなぜかすごく印象にあります。

www.in-and-outdoor.com

 

 

まとめ

以上、キャンプに行けない秋の夜長にぜひ読んでほしい本として、人気マンガ『キングダム』のもととなった歴史書『史記』の魅力を、キャンプに行けないフラストレーションを解消するためにまとめてみました。

 

思っていた通り、長くなってしまいました。

まぁこの僕の『史記』読破の感動と熱量を誰に語っても、家族を含め、みんなどん引きするのでブログにぶつけさせていただきました。

誰か1人でも共感してくれたら嬉しいです。(本当にキャンプに関係なくてごめんなさい。)

 

もしこのブログが参考になったよ。という方はバナークリックしてくれたら嬉しいです。

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