どーも。サラリーマンキャンパーCarlosです。
仮に僕が、寝袋にポンと5万5千円ほど出せてしまうエグゼクティブであれば、NANGAのオーロラライトやモンベルのダウンハガーを買うだけで終わってしまう話なのですが、残念ながらサラリーマンの年収の中央値が恐ろしいほど下がりまくっている令和の今、2児の父親である僕がそれをやってしまうと、奥さんがしばらくのあいだ口を聞いてくれなくなります。(たぶんそれは7割ぐらいの家庭でも同じではないでしょうか。)
そのため今回は、そんな僕と同じような境遇のサラリーマンキャンパーの方の参考になればと思い、冬用シュラフ・寝袋の正しい選び方についてまとめてみました。
果てしなく広がる冬用シュラフの世界
ソロキャンプを考えるようになってからというもの、冬キャンプの世界への扉を開くため、かれこれ2年ほど冬用シュラフに手を出したいと思っていました。
でもなんというか、ダウンは3万円オーバーからですし、数多くのメーカーが数多くのグレードのシュラフを出していて、もうワケがわからない。
初心者お断りのその価格帯と種類の多さから、なかなか踏み切れずに悶々としていました。
きっかけはWILD-1のNANGA
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そんな矢先に、僕のホームグランドの沼であるWILD-1にふらっと寄った時、
広告の品、NANGAのダウンシュラフが24,800円(税込27,280円)に遭遇。
スペックは限界使用温度が-9℃、快適使用温度が-4℃のダウンバッグ500STDという商品でした。
しかもその週末は1万円ごとに1,000円引というキャンペーン中だったので、計算すると「実質25,280円で憧れのNANGAを自分のものにできるスゲー!」と興奮しながら、とりあえずレジカゴに入れました。
でも売り場を徘徊しているうちにちょっと冷静になり、はたして2.5万円は安いのか、快適使用温度は-4℃でいいのか、500STDってなんなんだろうと思いはじめました。
この記事を書いた時に決めた自分ルール「ちゃんと調べて厳選する」を思い出し、ちゃんと調べてから買おうと決め、ゼェゼェ喘ぎながら棚にダウンバッグ500STDを戻しました。
敵を知り己を知れば百戦危うからず
これは「孫子の兵法」の中でもとても有名な言葉です。
冬用シュラフという強大な敵に挑むためには、相手をしっかりと調査し、同時に自分自身を知ることが大切なのです。
まさか2500年後にキャンプギア選びにも活用されているなんて、孫武(孫子の兵法を書いたひと)も想像できなかったでしょうね。
まずは敵(シュラフ)を知る
ご存知だとは思いますが、シュラフとはサイズが小さくなって軽くなるほど、機能が高くなればなるほど、比例してお値段がお高くなっていくというとてもアウトドアギアらしい代物です。
「アウトドアブランド事典」を書いた時に、全てのメーカーのHPを調べたからよく分かるのですが、
NANGAやISUKAといった寝袋専門メーカー、モンベルのような登山用品メーカー、コールマンやロゴスなどキャンプメーカーから、Amazonのよくわからない中華メーカーまで、百花繚乱あるいは魑魅魍魎のごとく数多くのメーカーが様々なシュラフを販売しています。
さらにメーカーごとにグレードがあり、それが冬用シュラフの難易度を上げています。
例えばモンベルでいえば、ダウンシュラフのダウンハガー
エクセロフトという化繊を使ったバロウバッグ
といったシリーズがあり、それぞれにサイズと温度で(ファスナーが右か左かまで)むちゃくちゃ種類があります。
モンベル公式のシュラフページを見ていただくとその果てしない世界観を感じることができます。
また、ダウンなのに快適使用温度0℃程度のスペックのものや、夏用のものもあるので、寝袋はよく調べずに買ってはいけないキャンプギアNo.1です。
以下、冬用シュラフを比較するうえで考慮しないといけないものをまとめてみました。
ダウンと化繊
ダウンシュラフは暖かくて軽くコンパクトになるためお高く、だいたい3万円オーバーからスペックによっては7万円を超えてくる商品も存在します。
値段の差の理由はFP(フィルパワー)。
この数字が大きければ大きいほど高品質な羽毛となり、お高くなります。700FP以上が高品質ダウンとのことでした。
基本的にダウンシュラフにはこのフィルパワーが表記されていて値段の根拠になっています。
また冬用シュラフには、化繊を使ったアイテムもあります。
化繊のものであれば有名メーカーでも1万円〜2万円代の商品(モンベルのバロウバッグシリーズとか)もありますが、その分、重く、収納サイズもデカいものはデカいという感じです。メーカーごとに繊維が違います。
バックパックキャンプや冬山登山でないのであれば、化繊という選択肢も全然あると思います。
最低使用温度と快適使用温度
重要なのが、最低使用温度と快適使用温度の数字です。
最低使用温度よりも快適使用温度(一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度域)で判断した方が良い気がします。
これがメーカーごとに表現も違っていたりするので、(NANGAやNEMOはヨーロピアンノームという統一表記を採用)かなりややこしいのです。
また、寝る時の服装や人によって個人差も大きいので、使ってみないとわからない。というのが正直なところです。
なのにもかかわらず、レビューをみても生涯でダウンシュラフを何個も買う人が圧倒的に少ないためかよっぽど悪いもの以外参考にならないものが多かったです。(5万5千円出して買った寝袋にはバイアスがかかって悪い評価を書けないものです。)
Amazonの中華ブランドの使用温度はとても怪しいですが、ちゃんとテストを重ねているだろう老舗の専門メーカーの使用温度であれば、信頼できるではないかと個人的には思います。
例えば、専門メーカーであるISUKAの気温とモデルの組み合わせ表はとても分かりやすく信頼できるのではないかと思いました。
収納サイズ
特に化繊の商品ですが、Snugpakなど収納サイズがかなり大きいものがあります。
買った後でそのサイズに後悔するということがないように売り場に足を運んで実物を見てみることも大切です。
好日山荘やWILD-1のような実物がたくさんあって、収納サイズとか重さとかを実際に確かめることもができる店がオススメです。
詳しそうな店員さんがいれば、気になる部分を質問してみても良いと思います。
そして己を知る
次に自分の使用目的を知る必要があります。
その人のキャンプスタイルや使用回数によって冬用シュラフの正解は全然違ってくると思います。
また家庭環境によっては奥さんが口を聞いてくれなくなったりするので、今の自分の状況を分析するというのはとても大切です。
それを踏まえて
Carlosの場合、使用シーンは車でのキャンプor車中泊です。
これまで、ロゴスとコールマンの最低使用温度0℃、快適使用温度5℃のシュラフを使っていました。(割引で買って3,000円ぐらいだったと思います。)
3シーズンの使用ではそこまで問題なく、正月に一人で車中泊で使用した時にかなり寒かったという感じでした。
今後、冬キャンプをするとしても、多少標高の高いキャンプ場は使うかもしれないですが、冬山の登山をするわけではないので、極寒での使用は考える必要はありません。
車もファミリーカーなので、収納サイズもそこまでコンパクトにする必要もないです。
使用回数も重要で、年間50泊するヒトであれば、ワンシーズンで10回以上使用して元を取ることができるかもしれないですが、僕の場合は、家族とのパワーバランスを考えると冬キャンプと車中泊で、せいぜいシーズン5回ぐらいだと思います。
そのため、2児の父親である僕が年5回も使わないであろうダウンシュラフに5万5千円を使ってしまうと、奥さんが口を聞いてくれなくなります。
以上の分析から、僕は2021年冬に購入する商品を決めることができました。
(また別記事でご紹介しようと思います。)
ここに来て「アウトドアブランド事典」の努力が活きてきた気がします。
まとめ
薄給サラリーマンのための冬用シュラフの正しい選び方のご紹介でした。
まとめると
・いろいろなメーカーの価格とスペックを調べ比較する
・売り場に足を運び実物をみる
・自分のキャンプスタイル、使用頻度を明確にする
・家計(奥さん)と相談する
でした。
みていただいた方のなんらかの参考や、良いブランドとの出会いになれば幸いです。